Hakuji

How to handle and care for products

 

 

白い器


生命をのせる器

生命エネルギーの循環を特別なものにしたく

この器を作らせていただきました。

器は、この世界に生まれた瞬間から

長く愛される使命が与えられています。

なんて美しい運命なのでしょう。





私たちは、生まれた瞬間から息絶えるまで


何かしらの命をいただいて、生命をつなぎます。

食事(時)は

みなさんにとってどのようなものでしょうか

かつての私は

食することは当たり前のことと

命をいただくことに対して理解が薄く

心無い、そのトキ(時間)を過ごしていたように思います

2011年から食を届ける経験をさせていただいたことで

数多の方々の想いと自然が育んだ奇跡

その連続の中で生まれた有り難きものを

「今」「ここで」「いただく」ということを知りました

食事・食時 そのもの

そして紐づくあらゆるもののチカラを

都度、思い 尊ぶ、こころが Hakuji となりました

縁/リムの曲線は、トーラスをなぞりました





この度のHakujiの窯元は、
日本有数の焼き物の街 佐賀・有田で
15代(350年)続く 辻精磁社
かつての日本においての「公」

長く皇室の器を手がけられてきた 丁寧なつくり手です

 

Hakujiの白は、感謝の色

この器が「生命の奇跡」で満たされること

そして なにより 皆様の心身の健康を心から願って





私がここに来るのは

もう何回目なのでしょうか?

有田の馴染みある山並み、

古き良き街並みを眺めながら大通りを車で走り

車を停めて

一本裏道へと歩いていく

迷いこみそうな細く入り組んだ路地裏

伝統的なトンバイ塀と、趣のある門が現れます

辻精磁社

こちらがHakujiを制作していただいてる辻精磁社です。





 

歴史は古く、公(皇室)の器を作る由緒正しい窯元


今なお大切な節目に皇室の皆様方が使われる器を作られています。


辻精磁社の奥の間。絢爛豪華な印象の有田焼と異なり、

辻家の作品には 奥ゆかしさと、品格そして威厳を感じます。

しっとりと、

美しい青一色の線


丁寧で落ち着いた安心感と

神社仏閣を訪れた時のような

凛とした空気と静けさを感じました。

代々受け継がれた歴史と精神性は

言葉なくとも、現れるものです

初めてあの門をくぐった瞬間に感じた

何かが全身を走り抜けていった感覚を

今でも鮮明に覚えています。


 




この取り組みは、私がトーラスをなぞり書き記したメモ書きを、
有田に住む友人に「形にしたい」と、見せた


そこから全てが始まりました。

辻家との出逢いは運命でしたし、

このようなお願いを受けていただけるとは最初は考えもしませんでした。

ただ、あの瞬間を忘れられなかった私は、

友人に無理を承知でご相談できないかとお願いをしたのです。

 

 

 

  

 

 

 

器の工程


1. 設計図を元に型屋が石膏で立体の型を作る

2. 土をろくろで引いて型を作り、少し乾いたら厚みを調整する。

3. 型打ち製法。※ろくろで成型したものを型に押し込む。

4. 乾いたら、高台を削ってお皿の形にする。

5. 削り終わったらさらしで拭き、950度で素焼き。

6. 釉薬につける。

7. 乾いたら仕上げ。

8. 名入れ

9. 本窯に入れ、1280-1290度で18-19時間かけて焼く。

10. 高台を刷る。

 

1から4の工程は、現在ほとんどがCADデータを作成し3Dプリ
ンタで成形、素焼きまでは機械で土を流し込み成形する工程が
主流となっています。 LIFESTYLISTでは、その工程も全て、人の
手で作られています。 とてもあたたかい器です。






そして、本焼きから2日後の熱が冷めつつある窯の扉を開く日に
私は有田へと参りました。


窯からはまだ熱い熱気を感じ、重い扉が開き

中から出てきた器たち。

辻さん、そして友人と共にこの一年間の想いとこの感動をそのまま

お渡しできること嬉しくて仕方ありません。




 

そして有田の職人の皆様方の技術と優しさに、
心からの尊敬と感謝を送ります。


一生を共にすることのできる本当に美しい器です。


品格があり、日常使いできる器へと仕上がったと思います。


このHakujiと共に
皆様の食卓に素晴らしいエネルギーが広がることを願っております。





このプロジェクトを共に実現して下さった辻浩喜さん


100年後に、もし同じものを揃えたいと

思ってくれる人がいたとしたら。

例え私や浩喜さんがこの世界にいなくても、浩喜さんの御子孫
がもしかしたら同じものを再現してくれるのではないかと。


そんな一つのモノに対する丁寧な想いと技術の伝承も
辻精磁社に感じた持続可能な願いでもあります。