Calm Dress

How to handle and care for products

 

 

 

長く洋服に携わる仕事を続けてきた中で、 洋服が人の行動や心に強く影響することを知りました。

外出をする時に、

人にどんな風に思われるのか?

この服装であっているのか? 現代社会では、大なり小なり、そんな思考が働くものです。

 

 

それとは真逆の場所が「家の中」

全てが自由。全てがあなたのための世界です。

 

何を着て、何を話し、何をしていても誰にも干渉されることのない世界。

日常の「家」での時間が、穏やかに、美しく、品良く、心地よく落ち着いた時を過ごすことができるように。

そのための服として『Calm Dress』を考えました。


 

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着たときの美しいシルエットやボリューム。

とても柔らかなオーガニックコットンのナチュラルなシワ感。

LIFESTYLISTのために糸から編み立てていただきました。
 

近くで見ると、とても細かなヘリンボーンになっています。
 

通常のシンプルなワンピースであれば2枚は作ることのできる、

用尺約5メートルの生地を贅沢に使用し、

12パーツのはぎを縫い合わせた、やわらかく裾に広がるデザインのドレスです。

肩からバッグにかけての紐を利用して、身長や体のパーツのサイズに合わせて、自由に調整することができるデザインです。

 

このドレスができあがるまでの裁断と縫製工程は、

福島で20年余りご兄弟で営んでいるとある工場にお願いしております。

  

実際に足を運ばせていただいた際に、物作りに対してのお話をお伺いすることができました。

 

 

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20年間このお仕事を続けてこられた理由は何だと思われますか?

 

>「生地」と「糸」と「形」

 

組み合わせは何万通り、何億通りとある中、

20年間、一つとして同じものを作ったことはなく、毎回の経験値が全てでした。

洋服づくりは、デザインからパターン起こし、裁断、縫製まで

一人ではできない共同作業をどう繋げていくかがとても大切です。 

 

毎日が勉強で、時代の流れで、物作りに対しての正解も時代に合わせて変化してきているので、

常に柔軟に捉えて、自分たちの技術が求められているなら、真剣に向き合って挑戦していく。
自分にはこれしかなかった。だから、今も続けている。

  

とおっしゃられていました。

 

 

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そして、私がこのCalm Dress はいかがしたか?と聞くと皆さんが失笑。。。 

意味がわからず ??? と不思議そうにしていると

『大変でしたよ〜!!こんなに細かく何枚もの生地を縫い合わせる事なんて、通常のお仕事ではないですから!
まさか、裏地まで分かれているとは。。最初の仕様書を見たとき気づかなくってね。。。想定していた時間を大幅に超えました(笑)

通常のワンピースの倍以上の生地を使用していますから!裏地も!』と笑ってお話してくれました。

内容としては嫌がられているような内容ですが、皆さんは笑いながら楽しんでいるように見えました。

きっと、デザインが届いた時に、皆さんの20年の蓄積された知恵と経験値が

発揮されたドレスだったのかな?と、私も少し嬉しくなりました。

 

 

 

 

変わり続けなくてはいけないという理念をもちながら、

変わらない信念を貫き

 

時代によってデザインやお客様が求める要望は常に変化を続けていく中で、

 

変化を楽しいとお話ししてくださったお二人。

 

 

 

工場で、一人の若い青年がミシンに向かっていました。

声をかけると、息子さんでした。

これから先50年は、このクオリティでこのドレスを作っていくことができるな。と。

少しの安心と未来を感じられた瞬間でした。





福島は、古くから洋服作りが盛んな地域です。

このあたりにも、たくさんの縫製工場があると聞いておりました。

Fashionの力を

私は信じています。

日本の人が作るもの中には、

そのものが持つ波動や佇まいに変化があるのではないかなと。

細かいニュアンスや、ディテール、細部にまでこだわった

素晴らしいプロダクトです。

ぜひ皆様の日常のリラックスを共に歩めたら嬉しいです。



 

最後に。

 

ドレスには、洋服ブランドのようなネームタグは付けず、裾にさりげなく「LIFESTYLIST」の刺繍を施しています。

 

 

昔の方々は、綿素材のお洋服が経年変化していったとき、製品染めをしたそうです。

これは、以前徳島の藍染工場に見学に行った時に聞きました。

 

色あせた服も、まるで、新品のようになると。

 

毎日着てもらいたいものですし、真っ白なドレスなので、いつかは変化も訪れると思います。

 

そんな時は、ぜひご自分の好みの色に染め直してもらえたら嬉しいなと思っています。

その時に、刺繍糸にもきちんと色が入るようにと、コットン糸を採用しています。

末長くあなたの生活に寄り添い、愛してもらえるように、という願いを込めています。